以前六本木でズボンのベルトを振り回して大立回りを演じた副知事浜渦を更迭し、その後“参与”として都庁に呼び戻した石原知事はまたもやコワモテの猪瀬直樹を副知事に任命したのが去る6月27日。

猪瀬は「国と戦うための仕事がやりやすくなる」と言い、石原は「心強い助っ人が来てくれた」と手離しで喜んでいる。しかし、政府の審議会委員に就いている人間が、副知事の要職を兼ねるのはその中立性に問題があるのだが、猪瀬が副知事に就任したということは、その“権力志向”の強さを端的に物語っている。
“ジャーナリストは、すべてからくアンチ体制でなければなうない”という青臭い心構えを持ち出すまでもなく、権力者に迎合するべきではなく、常に批判精神を持たなければならない。
猪瀬の場合「道路関係四公団民営化推進委員会」の委員として“改革”を掲げていたが、体制に取り込まれた中での“改革”など“おためごがし”でしかない。第一、この「委員会」の委員長は「新日鉄」会長の今井敬で、鉄鋼業界の大物。その今井の本音は、どうみても高遠道路凍結で鉄の需要を減らす「委員会」の“改革”より、鉄の需要が増す「道路族議員」の主張に同調したいのは当然。
それは「委員会」がまとめた“中間報告”に現れている。
“凍結”の二文字を入れたことを猪瀬は誇らしげにテレビなどで述べていたが、上下分離方式が固定化され、「族議員」と「委員会」の対立は表面的であって、その対立には「驚くほどの同質性がある」と桜井よしこも指摘している。 |